アート・イラストレーションの最近のブログ記事

20110516.jpg先日、4つのギャラリーを巡ってきました。今月はなぜだか迫力のある展示が多いのです...。

特に感銘を受けたのは、クリエイションギャラリーG8で開催されている伝説のイラストレーター河村要助の真実でした。
とにかく膨大な枚数であるとともに、一人の作家がこれだけ幅広い表現ができるんだなあ、と驚く程、沢山の表現手法があり、見応え十分でした。

イラストレーションとして数多くの作品を世に送り出した作家の展示は、エンターテイメント要素が強く、とても見ていて楽しいものがあります。
ファインアート系の展覧会だと、結構疲れてしまうことが多くて...。逆に、イラストレーションの展示からは元気をもらう事が多く、やっぱり自分はイラストレーションが好きなのだなあ思うのです。

例外として、ポップアートは純粋に楽しいと思えるのですが、この河村要助さんもポップアートの影響を受けていることを感じさせる絵も多く、そういう方向性も非常に共感できました。

河村さんがイラストレーターとしてキャリアを築き始めた70年代は高度経済成長期ですから、世の中は明るさと希望に満ちていた時代だったと思います。
そういった時代背景の中、底抜けに明るく、見る者を楽しい気分にさせるイラストレーションを沢山生み出していったのは、それが「時代感」だったのかもしれません。

今の時代感を反映したら、少し悲しく、ダークでつかみ所のない絵になるのかもしれません。疲れた心を癒す、静かな優しい絵が求められるのかもしれません。
人との関係に疲れきり、人物の出てこない大自然の絵のほうがよいと思う人も多いかもしれません。

でも、暗く辛い出来事が続き、元気を失っている今こそ、河村さんのような、底抜けに明るく、どんなことも笑い飛ばす様なイラストレーションが、活き活きとした人物を描くイラストレーターが必要なのではないでしょうか。
だから、私は明るくて楽しい絵を、人の営みを描いていきたいなあと思うわけです。

河村さんのように、思い描いた世界を力強く表現できるように精進しなければいけませんねえ。

101023.png各メディアでよく取り上げられたこともあり、連日満員御礼の企画展、「"これも自分と認めざるをえない"展」へ行きました。
ピタゴラスイッチやゲームのI.Q.で有名なクリエーターの佐藤雅彦さんディレクションということで、期待度大です。

ほとんどの展示が、体験型の形をとっていて、実際に何らかの仕掛けを体験することで、「属性」というものを体験するという主旨になっています。

人が他者と接するとき、何らかの形で相手をカテゴライズをするものですが、その過程をさまざまな形で体験できます。この展示の恐ろしいところは、自分自身が他者に行っている分類を、逆に自分自身が他者から分類される様子を突きつけられるところです。

最初に身体的特徴や、虹彩認証、指紋認証などを登録して、それがさまざまなところで個人を特定するのに役立てられます。こういうのはもう既に実用化されているのでそんなに違和感はないですが、それ以外にも、館内での無意識に行った行動が後々に活かされていたり...。

うーん、面白いんですけどちょっと不気味な企画展でした。

100616.jpg松屋銀座で開催されている「墨楽 -- 安西水丸掛軸展」に行って参りました。安西水丸先生が墨一色で描かれた掛け軸の原画を展示しています。

今回のメインイベントは水丸さんご本人が、これまで描いてきた絵を元に語るイラストレーショントークです。子供時代の絵日記まで公開するのですから、これは貴重です。

とにかく子供の頃から絵が好きで好きで、大御所になった今もずっと同じ気持ちで描かれているようです。そもそも絵ってそういうものなんだなぁと思いました。

常に楽しんで絵を描くことのできることほど幸せなことはありません。
楽しく描いているはずの絵も、色々な邪念が入ってくると、時に苦しいものになります。苦しんで描いた絵はよい絵にならないばかりか、自身もとても不幸な気分になります。

でも、どうせ同じ時間を費やすのなら、楽しいほうがいいに決まっています。


貴重な絵の数々やお話を聞き、そんなことを考えていると、突然の質疑応答タイムとなりました。
そりゃあ聞きたいことは山のようにありますが、でもここで聞くのはかなりの勇気がいります。
何を聞こうか、そもそも手を挙げる勇気があるのか、とあたふたしつつも、これだけはきかなければ!と思い切って手を挙げました。

私は、村上春樹さんの長編小説は勿論大好きなのですが、かなり昔のエッセイで、安西水丸さんが春樹さんの絵に合わせて絵を描いている「村上朝日堂」シリーズも大好きだったのです。

その中で、村上春樹さんは「水丸さんを困らせようと思ってあれこれ変なテーマを考えている」というようなことを言っていて、色々試みたようなのですが、ことごとく失敗に終わっていまして。(例えば延々と豆腐のテーマで続けるとか、ビーフカツレツを食べるロンメル将軍(誰?)とか)
結局一度でも水丸さんを困らせることができたのか、ずっと気になってました。

そこで、このことを、どさくさに紛れて聞いてみたのですが、「困ったことは一度もない。だって村上春樹さんの文章は絵が描きやすいんだもん♪」でした...
なるほど、そりゃそうですね、愚問でした;;;

それにしてもまた、あんな贅沢なエッセイ出してほしいものです。

ちなみに、安西水丸先生のイラストレーショントークは、20日にもあるそうです。
ご興味のある方は銀座へGO!


091228_1.jpg先日、バージナで開催されたボブ・ギル展に行ってきました。
ボブ・ギルは60年代から70年代に活躍したグラフィックデザイナーですが、多数のイラストレーションも描いていて、どれも味があります。

日本ではあまり知られていなかったのですが、このバージナの社長さんが是非紹介したく思ったため、ボブギルご本人に協力を依頼して開催に至ったそうです。

驚いたのは、バージナさんはギャラリーというよりは、デザイン事務所のようなオフィスで(本職はデザイン家具の輸入とデザイン関連の古本販売)、社長さん自らに作品の解説をしていただいたことです。場所がオフィスだけに、適当に見ていって下さいというわけにはいかないそうです。
なので、ボブ・ギルの作品だけでなく、数々のデザイン書も見せていただきました。
amazonなどでは入手が難しい、ベン・シャーンの作品集も幾つかありました。(売る側としてが人気があるすぎてうんざりしているそうですが・笑)

091228_2.jpgのサムネール画像ギャラリーの後、一緒に行った友人と、飯田橋のお堀沿いにある有名なレストランに行きました。
ここはドラマでよく使われているだけあって、店内の雰囲気は抜群なのですが...
お味はファミレス系のマンマ・パスタやトゥザハーブスあたりとあまり変わらないような。接客もなんだかイマイチ。
ここよりずっと安くて、ずっと美味しくて、ずっと接客のよいお店はいっぱいあるよなー。


090912.jpgその昔、建築を学んでいた頃、おそらく大抵の建築学科の学生と同様に、「近代建築の三大巨匠は"ミース・ファンデル・ローエ"と"ル・コルビジェ"と"フランク・ロイド・ライド"である」ということを耳にタコができるほど言われたものでした。
この方々は神のような存在でしたので、写真や図面を見たり、機会があれば実物を見に行くこともありました。

ちなみに、ワタシは山のような課題をこなすだけで一杯一杯でしたので、建築についての深いうんちくは持ち合わせていませんが(そんなこと考える余裕もなかった...)、当時はなんとなく、コルビジェとミースはシンプルで無駄がなくカッコイイと思っていて、ライトについてはなんだか重々しくて取っつきにくいというイメージを一方的に持っていました。おそらく旧帝国ホテルを設計した人という印象が強かったためでしょうか。

そして、最近、なぜか、ライトの落水荘(写真のとおり、滝の上に建てられたチャレンジャーな住宅です)をモチーフに絵を描いてみようかと思い立ち、ついでなのでライトの写真集なども改めて見てみたのですが、ライトの建物が非常に美しいことに今更ながら気付かされました(^^; 外観だけではなく、内観も本当にステキなんですねー

趣味や感覚というのは変わるもので、今、ミースやコルビジェと見ると、確かに洗練されていますが、彼らの住宅に住みたいかというと、ちょっとゴメン...な感じです(失礼極まりないことを承知で申しております)。 なぜかと説明するのは難しいのですが、無機質で落ち着かなそうなのです。
というか、そこで生活しちゃいけないかんじがします。

一方の、フランク・ロイド・ライトですが、センスがよくて美しいだけではなく、ここに住んだら気持ちいいだろうなーと妄想が広がるのです。有機的建築と称するだけあり、暖かみがあるのですね。なのに、取っつきにくいと思っていたとは...。
ライトのインテリアを集めた写真集も出版されていて、これからマイホームを持つとかリフォームをする人にも人気があるらしいというのも、納得です。

高名な建築家の作品というものは、自己完結していて少し近寄りがたいと勝手に思っていましたが、ライトの写真集は、見ているだけでも引き込まれてしまい色々想像がかき立てられるので、なかなか楽しいです。

それにしても、20世紀初頭の文化というのは、本当に優雅でステキなものが多いです。物事のスピードや時間の流れ方も今とは違っていたのでしょう。

巨匠フランク・ロイド・ライト

090810.jpg2016 Exhibitionという展示会に行ってきました。

「東京オリンピック」をテーマに約200名のクリエーターが作った名刺が展示されていて、展示作品はオリジナルの名刺入れと共に持ち帰れます。
何人か知っているクリエイターは勿論いたのですが、以前同じ学校に通っていた同級生の作品があったりして驚きました。

表を普通にして、裏に作品をいれた名刺もいいですね。両面印刷は少しコストが上がるけど、やっぱり今度はこういうの作ろうかな。

090608.jpg先週末に、新宿のB GALLERYで開催されている、スージー甘金と塗コミック派展に行ってきました。以前よりリキテックスで全コマ塗って描かれた、スージーさんの「塗コミック」の存在は知っていたのですが、原画をみるの初めてです。

スージーさんと塗コミック派といわれる色々な有名イラストレーターが制作した塗コミックの原画の展示は、それはそれはものすごい迫力でした。

その得たいの知れないエネルギーと80年代風のポップな色彩に誘われて、スージー甘金 塗COMIX 1980年代のポップ・イラストレーションの2冊を衝動買いしてしまいました。

ちなみに、内容はシュールなナンセンスギャグのオンパレードで、しかも印刷されればモノクロか2色になってしまうのですが、それをすさまじいエネルギーでフルカラー作成しているところが素晴らしいです。私もそういう人でありたいな、と思いました。


スージー甘金 塗COMIX (CDジャーナルムック)
1980年代のポップ・イラストレーション

090427.jpg先週末のことになりますが、代々木公園駅近くにある Galerie sur-mursで開催されているフィリップ・ワイズベッカー展に行ってきました。

少し前に行った、銀座リクルートビルのクリエイションギャラリーG8での展示と同時開催ということで、そちらとは違う作品があるのかなと思い行ってみました。

G8の展示は建物や家具の絵が中心でしたが、こちらは本人が来日している間に描いたUKIYO-Eシリーズという和風小物をの作品が中心でした。

G8の展示でも思ったのですが、パースとかゆがんでいるのに、なぜかカッコいいんですよね。
無駄な線がなく洗練された作品の数々は本当に参考になります。
こんな絵をサラっと描いて、グリーティングカードなんて作れたらいいですね。